海外からのお客様を接待、東京八王子市郊外の料亭に出かけた。鶯啼庵は「おうていあん」と読む。名前の由来を料亭の WEB から拝借した。我が家の近所でも初夏から鶯が鳴き通勤の朝は心が癒されるものである。
夏目漱石の作品の中に「草枕」という 作品がございます。 その作中において、主人公である青年画家が都会での忙しい毎日に疲れ、やすらぎを求めて旅に出た山中の茶屋で、一人の老婆に出逢うシーンがあります。そこで青年画家は、その老婆に向かって「この辺では、鶯は鳴くかね?」と訪ねると「ええ夏でも鳴きます」との答えこれを聴いた青年画家は、とたんに世間の憂さを一変に忘れおだやかな気持ちになったのです。
鶯啼庵もこの一節にある、鶯が病んだ一人の人間の気持ちを癒したような「安らぎの里」にしたいとの願いを込めて「鶯の啼く庵」と命名致しました。また「鶯啼」の二文字は、唐の詩人杜牧(とぼく)の、春を詠った叙情詩「江南の春」の一節「千里鶯啼緑映紅」(千里鶯啼いて緑紅に映ゆる)より頂きました。